https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2021-01-20
本研究では、ガボン共和国ムカラバードゥドゥ国立公園に生息する野生ニシローランドゴリラ21頭を対象に、草本植物であるアフリカショウガ(Zingiberaceae)の採食操作に使用する手の左右性の観察を行いました。合計4,293事例のアフリカショウガ採食行動を記録した結果、全21頭において個体レベルで明確な利き手が見られることが明らかになりました。さらに、21個体中15個体が右利き、6個体が左利きを示し、統計的に有意な集団レベルの右利きが検出されました。野生下のゴリラにおける集団レベルの右利きは本研究が初めての発見となります。本研究結果は、ヒトの利き手の進化的起源が言語の獲得より前に遡る可能性を示唆しています。