www.kyoto-u.ac.jp/ja/research-news/2021-01-27
大塚貞男 医学研究科特定助教、村井俊哉 同教授の研究グループは、読み書き能力の多面性に着目し、複数の大学から募集した大学生の漢字の読み、書き、意味理解の能力と、基礎的な認知能力、言語的知識の習得度、文章作成能力との関係性について解析しました。
本研究に先立って、本研究グループは日本漢字能力検定(漢検)の受検データベースを分析し、漢字能力が読字、書字、意味理解の3側面から成ることを明らかにしており、本研究はその発見に基づいておこなわれました。解析の結果、漢字能力の3側面の習得には部分的に異なる複数の認知能力が関わっていることが発見され、漢字習得に困難を抱える子どもには、習得が難しい漢字能力の側面とその要因(苦手な認知能力)を考慮した教育ストラテジーが必要であることが示唆されました。それに加えて、3側面の中で書字の習得だけが、言語的知識の習得を介して文章作成能力と関連していることが発見されました。