www.kyoto-su.ac.jp/news/2021_sc/20210210_150_publishing.html
近年のスーパーコンピューターによるシミュレーション計算では、超新星爆発は従来の理解よりもゆっくりとした爆発をすることが示唆されています。しかし最近、これらのゆっくりとした爆発では、超新星の内部で生成される56Ni の観測量を説明できないことが指摘されてきました(ニッケル生成量問題)。 (略) 超新星爆発後、中心に残される原始中性子星の表面からニュートリノ駆動風と呼ばれる質量放出が長時間続きます。このニュートリノ駆動風は、「ニッケル生成量問題」の解決策の1つとして多くの研究で注目されていました。 (略) 澤田研究員と諏訪准教授は、「ニッケル生成量問題」の解決策の検証のため、複雑な式に物理的、数学的に適切な近似を施すことで、中性子星への降着とそれに伴うニュートリノ駆動風を記述する物理的モデルの作成に成功しました。そして本論文のモデルに基づいた結論として、ニュートリノ駆動風でニッケル生成量問題を解決することは難しいことを示しました。