大気の詳細調査に適した地球型の系外惑星を発見

 東京大学大学院総合文化研究科附属先進科学研究機構の成田憲保教授、大学院理学系研究科 地球惑星科学専攻の福井暁彦特任助教らの参加する国際研究チームは、2018 年 4 月に NASA が打ち上げたトランジット惑星探索衛星 TESS と、成田教授・福井特任助教らが開発した多色 同時撮像カメラ MuSCAT2(注 5)などを用いた多色トランジット観測、惑星の質量を測定す ることができる視線速度観測の連携により、太陽系から約 26 光年の距離にある赤色矮星 Gliese 486 を公転している惑星 Gliese 486 b を発見しました。 観測の結果、Gliese 486 bは質量が地球の約2.8倍、半径が地球の約1.3倍で、地球のよう に岩石を主体とした地球型惑星であるとわかりました。この惑星は公転周期が 1.467 日しかな く、表面温度は摂氏 400 度を超えると推定されるため、生命が存在できるような環境ではない と考えられます。しかし、公転周期が短いことや温度が高いことは、「トランジット分光」や 「二次食分光」という方法で惑星の大気の組成や温度分布を調べる上ではとても有利な特徴と なります。特に Gliese 486 b は太陽系の近くにあることから、今後惑星大気について詳しく調 べることができる地球型の系外惑星として、重要な観測対象になると期待されます。 本研究成果は米国東部標準時 2021 年 3 月 4 日(木)14 時(日本時間 3 月 5 日午前 4 時) に、アメリカ科学振興協会が出版する科学雑誌「Science」に掲載されました。
www.c.u-tokyo.ac.jp/info/news/topics/files/20210305naritanosobun01.pdf

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です